Japan Heritage KISOお六櫛の技法
No.9
わずか10cmにも満たない幅に、およそ100本もの歯が挽かれたミネバリの小さな櫛「お六櫛(おろくぐし)」は、江戸時代から中山道の名物、御嶽信仰や善光寺参りの土産として全国に知られていました。現在でも、ここ薮原宿を中心に作られているお六櫛は、実用品の櫛であるとともに長野県伝統工芸品として愛され続けています。
薮原では一口に「お六櫛」と総称していますが、その種類は多岐にわたり、梳き櫛・解かし櫛・挿し櫛・鬢掻き櫛などがあります。さらにそれぞれに形や大きさ、歯のつけ方などの違いによって様々な名前がつけられています。